杉柱のいえ

本計画は京都郊外に建つ30代の夫婦と子二人の為の住宅である。
周囲を取り巻く列柱には、丸太でありながら真っ直ぐに成長する北山杉を採用した。この列柱には、大きく張り出した軒・けらばを支える役割を果たすと共に、大開口を設けた南面にあっては夏季の日射を遮るための可動式水平ルーバーの取り付け下地として、湿気等で汚れ易い北側にあっては清掃足場と町のランドマークとしての機能を持たせた。
建物外周が杉の柱に取り囲まれ、入れ子のように包み込まれるフォルムは、建物外部と内部の間に緩衝帯を生み出し、縁側空間を作り出すと共に、建物内部からはあたかも森林の中に建つ小屋にいるような感覚を想起させ、住まう人にくつろぎと安心感を与えることを期待している。

所在地:京都市郊外
構造規模:木造二階建
延床面積:113.46㎡
設計:2017年
第1回Woodyコンテスト 優秀賞受賞